自動車整備について
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特定整備とは?分解整備との違いとは
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- 車検と点検
制度変更の背景
近年の自動車技術は、電子制御装置の拡大・発展が目覚ましく、自動運転や衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した車が多くなってきています。
安全走行に大きな影響を与える電子制御装置ですが、これまでは分解整備の作業範囲に含まれていませんでした。きちんと認証を受けている整備士のいる事業場で電子制御装置の整備し、車の安全性が確保できるように、特定整備制度ができました。
分解整備とは
分解整備は、高い技術が要求される整備で、2級自動車整備士以上の資格を持つ人だけが行えるものです。
また、分解整備は、作業場面積や設備、要員についての認証基準を満たして、地方運輸局長から認証を受けた業者でしか受けることはできません。
分解整備の作業範囲
分解整備の作業範囲は、自動車が安全に走るために重要な部分ばかりです。
原動機:エンジン交換など
動力伝達機:クラッチ、ミッション、プロペラシャフト、デフの取り外し、交換など
走行装置:ドライブシャフトやアクスルシャフト、ロアアームの取り外しなど
操縦装置:ステアリングのギヤボックスや、タイロッドの取り外しなど
制動装置:ブレーキパイプやブレーキホースの取り外しなど
緩衝装置:リーフスプリングの取り外しなど
連結装置:牽引自動車の連結部分の取り外しなど
特定整備で追加された電子制御装置整備項目
① 自動運行装置(レベル3以上)の取り外しや作動に影響を及ぼすおそれがある整備・改造
② 衝突被害軽減制動制御装置(いわゆる「自動ブレーキ」)、自動命令型操舵機能(いわゆる「レーンキープ」)に用いられる、前方をセンシングするためのカメラ等の取り外しや機能調整(コーディングや光軸調整)
③ ①、②に係るカメラ、レーダー等が取り付けられているバンパ、グリル、窓ガラスの脱着
電子制御装置整備の認証条件
電子制御装置点検整備作業場や車両置場の寸法要件も定められたほか、水準器とOBD点検に必要な整備用スキャンツールの設置が必要となり、工員の基準は、整備主任の資格要件に運輸支局長等による講習が必要となりました。
経過措置
令和2年3月31日までに、電子制御装置の整備をおこなったことがある事業所については、2024年(令和6年)3月31日まで、引き続き電子制御装置の整備をおこなうことができるという経過措置が設けられました。
令和2年3月31日までに電子制御装置の整備をおこなったことのない事業所については、新たに電子制御装置整備の認証を受けなければ、電子制御装置の整備を行うことができなくなりました。
また、整備主任者の資格要件に関しても1年間の経過措置が設けられていました。
点検基準の見直し
令和3年10月1日より、自動車の年式等に関わらず、車載式故障診断装置が搭載されている全ての車(除く 大型特殊自動車、被牽引自動車、二輪自動車)を対象に、12ヶ月ごとの定期点検項目にOBDの診断結果が追加されることになりました。
OBDとは
OBDとは、「On Board Diagnostics」の略で、車載式故障診断装置のことをいいます。
エンジン、トランスミッションやブレーキなどの電子制御装置(ECU)の内部に搭載され、故障の有無を自己診断し記録する装置のことです。
そのOBDコネクタにスキャンツールを接続して自動車の故障箇所を診断することをOBD診断といいます。
OBD診断が必要になった背景として、ここ10年で増加傾向にあるADAS(先進運転支援システム)車の存在があります。ADASを搭載した自動車の増加に比例して、センサー類や電装系などの不具合が発生するケースが増え、それら電子制御装置の目に見えない故障に対応することが必要となったのです。
OBD点検の対象
OBD点検の点検対象は原動機、制動装置、アンチロックブレーキシステムの警告灯、エアバッグ、衝突被害軽減制動制御装置、自動命令型操舵機能及び自動運行装置に係る識別表示です。

まとめ
新点検基準が施行され、ADASを含む電子制御装置整備は、12ヵ月点検の対象となりました。令和6年3月31日までの経過期間を過ぎると、特定整備の認証を受けた整備工場でしか点検を受けることができなくなります。
また電子制御装置が故障した場合でも、特定整備の認証を取得している協会加盟のディーラーの整備工場に入庫されれば安心です。