電動キックボードの危険性 | 愛知県自動車販売店協会(略称:愛自販)

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電動キックボードの危険性

電動キックボードの危険性
軽量コンパクトで、便利な乗物の電動キックボード、最近目にする機会も増えてきました。 急速に普及が進む電動キックボードですが、これまでの電動キックボードは、原付バイクと同じ扱いで運転免許とヘルメット着用が必要でした。 しかし、2023年7月より道路交通法が改正され、最高速度が時速20km以下で、大きさ装備など一定条件を満たせば16歳以上は運転免許なしで公道を走行できるようになったのです。 しかも、ヘルメットは着用しなくてもよい努力義務となり、時速6km以下なら歩道の走行も可能になりました。
目 次

電動キックボードの事故・違反件数

電動キックボードの違法行為による事故は急増してきています。
警察庁によると、電動キックボードの全国の人身事故件数は、2020年は4件でしたが、21年は29件、22年は41件に増加しています。22年9月には、都内で転倒した男性が死亡する事故も起きました。
また、通行区分違反、信号無視、一時不停止などの道交法違反件数は、2021年9月から2023年1月の間に2,014件で、整備不良、無免許運転、ヘルメット未着用などの指導警告件数は、1,341件あったと報告されており、最近では飲酒運転も問題となっています。

なぜ規制緩和されたのか

電動キックボードのうち、性能上の最高速度や大きさが自転車と同程度のものを原動機付自転車から切り出して、自転車と同様の交通ルールを定めることにより、守るべき交通ルールが明確化され、その内容を周知徹底することにより、交通秩序の確立につながるものと考えたからです。
単に規制を緩和して普及させることを目的としたものではありません。
また、政府が推進する新技術やビジネスモデルの社会実装のためには“まずやってみる”ことが重要という理念の「規制のサンドボックス制度(新技術等実証制度)」に基づき規制緩和されました。

電動キックボードの危険性

運転免許がなく、交通ルールを知らない人でも乗れるようになったことで、道路交通において一段と危険性が高まり、事故件数が増えることは十分予想されます。
では、どんな危険性があるのでしょうか。

バランスを崩しやすい

電動キックボードは、立ち姿勢での運転なので、重心が高いためにバランスを崩しやすく、またヒールのある靴で乗ると更によろける危険性があります。

ハンドルをとられやすい

タイヤ幅が細いために轍や側溝などの影響を受け、ハンドルが取られやすい危険性があります。

段差を乗り越えられない

タイヤが小さいことで、段差を乗り越えることができずに躓いたり、前タイヤが引っかかって後輪が持ち上がり、前転するように転倒する危険性があります。

歩行者に衝突

例えば、時速6kmで歩行者に衝突した場合、時速6kmの衝撃は、軽い衝突と見られがちですが、重大な怪我を負う可能性があります。
運転者は衝突することを認識していれば防御でき、ヘルメットを着用していれば大きなけがは防げるかもしれません。
しかし、突然衝突された歩行者は、防御することができず、衝突によって転倒すれば、頭部骨折や脳挫傷、最悪の場合は死亡する危険性が十分にあります。

自転車に衝突

例えば、車道を時速20kmで走行中、自転車に横から衝突した場合、双方とも地面に頭を強打する危険性があります。
時速20kmは、建物の2階か3階から落ちるのと同じ衝撃といわれますから、衝突によって死亡する危険もあります。

自動車に衝突

例えば、時速20kmで走行中、自動車に衝突した場合、自動車のボディ等に叩きつけられ(一次衝突)、さらに地面に叩きつけられる二次衝突のときの方がより頭部への影響が大きいことが明らかです。
ヘルメットを着用していなければ、重篤な頭部損傷と最悪の場合は死亡する恐れもあります。

電動キックボード乗車時の遵守事項

電動キックボードの運転者が守るべきルールは?

飲酒運転禁止

お酒を飲んだときは、運転してはいけません。
また、酒気を帯びている者で、飲酒運転をすることとなるおそれがあるものに対し電動キックボードを提供したり、飲酒運転をすることとなるおそれがある者に対し酒類を提供し、又は飲酒をすすめたりしてはいけません。

二人乗り禁止

二人乗りをしてはいけません。

車道通行の原則

歩道又は路側帯と車道の区別がある道路では、車道を通行しなければなりません。(自転車道も通行することができます)
道路では左側を通行しなければならず、特に、車両通行帯のない道路では左側端に寄って通行しなければなりません。
車両通行帯の設けられた道路においては、原則として一番左側の車両通行帯を通行しなければなりません。

二段階右折

右折をするときは、小回り右折ではなく、二段階右折をしなければなりません。(ただし、二段階右折が禁止されている場合は、小回り右折)

自賠責に加入

自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済への加入が義務付けられています。

ナンバープレートの取得

市町村の条例等の定めるところにより、ナンバープレートを取得し、車体の見やすいところに取付けなければなりません。
安全性の観点から、車体幅に収まるような100㎜四方の小型のナンバープレートになりました。

その他交通ルールの遵守

主な違反行為は次のとおりです。
・信号無視
・通行禁止違反
・歩行者用道路における徐行義務違反
・通行区分違反
・路側帯通行時の歩行者の通行妨害
・遮断された踏切への立ち入り
・交差点安全進行義務違反など
・交差点で右折する際に他の車両の進行を妨害する行為
・環状交差点安全進行義務違反など
・一時停止義務違反
・歩道通行時の通行方法違反
・ブレーキの整備不良や前輪および後輪にブレーキを備え付けていない自転車の運転
・酒酔い運転
・安全運転義務違反
・あおり運転(妨害運転)
・携帯電話の使用
・共同危険行為

違反するとどうなる

電動キックボード(特定小型原動機付自転車)は、交通反則通告制度及び放置違反金制度の対象とされていますが、免許が無くても乗れる車両なので、違反点数は累積されません。
交通反則通告制度によって反則金を納付すれば、その後は、刑事手続きは行われません。
また、一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上行った者に対しては、都道府県公安委員会により「運転者講習」の受講が命じられます。受講命令を受けたにもかかわらず受講しなかった場合にも罰則が適用されます。

電動キックボードと共存するために

電動キックボードを自分では運転しなくても、自宅から駅までの通勤や通学の経路、ビジネス街の幹線道路や路地、ショッピングや行楽時での歩行スペースなど様々な場所で、電動キックボードに遭遇することが予想されますが、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

歩いている時

歩道や道路の縁に沿って、フラフラせずに真っすぐに歩くようにし、急に立ち止まったり、急な方向転換ことを避け、電動キックボード運転者が予測可能な歩行に心掛け、接触・追突されないようにする。

自転車を運転している時

歩行時と同じく、急な動きを避け、電動キックボード運転者が予測可能な運転をして、接触・追突されないようにする。

車を運転している時

歩道を走っていた電動キックボードが、歩道が混んでいるときなど突然車道に出てくることも十分予想されますので、電動キックボードを見かけたら、近づかず距離を取ることが基本ですが、狭い路地の交差点などでは、電動キックボードの一時停止違反や、一方通行に関係なく突然目の前に現れることも予想されますので、一時停止でなくても一時停止するなど、路地裏ではとにかく減速して、いつでも止まれる速度で走行するようにしましょう。

まとめ

便利な乗り物であることは間違いない電動キックボードですが、運転の仕方によっては、電動キックボードの運転者だけでなく、歩行者、自転車・バイク・自動車の運転者にとっても危険性の高い乗り物になりかねません。
電動キックボードに乗るときは、交通ルールとマナーを守るのは当然ですが、努力義務であってもヘルメットは着用し、安全に運転してほしいものです。
自動車もバイクも自転車も電動キックボードも、そして歩行者もすべてが尊重し合って共存できる、そんな交通社会の実現に向け、道路を利用するすべての人が、電動キックボードのルールを知って、お互いを思いやり、安全に心掛けましょう。