2025年上期自動車盗難台数 | 愛知県自動車販売店協会(略称:愛自販)

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2025年上期自動車盗難台数

2025年上期自動車盗難台数
2025年上半期(1月~6月)の自動車盗難に関する警察庁の発表は、日本の自動車オーナーにとって依然として深刻な脅威が存在していることを明確に示しました。特に注目すべきは、高額な人気車種が引き続き窃盗犯のターゲットとなっている実態と、その背景にある国内外の複雑な要因です。
目 次

盗難台数上位車種に見る傾向

警察庁が発表した2025年上半期の盗難台数上位車種のデータは以下の通りです。

順位車種名2025年上半期盗難台数2024年上半期盗難台数2023年上半期盗難台数傾向
1位トヨタ ランドクルーザー765台590台256台↑ (増加)
2位トヨタ プリウス289台287台260台↑ (微増)
3位トヨタ アルファード191台303台358台         ↓ (減少)
4位レクサス RX141台80台34台         ↑ (大幅増加)
5位レクサス LX120台112台152台         ↑ (微増)
6位トヨタ クラウン107台44台50台         ↑ (大幅増加)
7位トヨタ ハイエース97台60台77台         ↑ (増加)
8位レクサス LS55台44台41台         ↑ (増加)
9位トヨタ ハリアー50台17台未公表         ↑ (大幅増加)
10位スズキ キャリイ43台44台52台         ↓ (減少)

1. 盗難台数上位車種に見る傾向

上位10車種中、実に8車種がトヨタ・レクサス車を占めています。特に、ランドクルーザーが765台という圧倒的な数字で1位となり、昨年同期(590台)や一昨年同期(256台)と比較して大幅に増加していることは特筆すべき点です。これは、海外での需要が極めて高く、高値で転売できることから、国際的な窃盗組織の主要なターゲットとなっていることを改めて示唆しています。
レクサスRX(141台)、レクサスLX(120台)、レクサスLS(55台)といった高級SUVやセダンも上位にランクインしており、同様に海外需要が盗難の大きな要因となっていると考えられます。

2. プリウス、クラウン、ハリアーの増加傾向

これまでも盗難件数が多かったトヨタ プリウス(289台)は微増で2位に留まりましたが、トヨタ クラウン(107台)やトヨタ ハリアー(50台)が大幅に増加している点は注目に値します。これらの車種は国内での人気も高く、中古車市場での流通性が高いため、国内での再販や部品取り目的での盗難が増加している可能性があります。特に、最新世代のクラウンやハリアーは、高度な電子制御システムを搭載しているにもかかわらず、窃盗犯がその対策を上回る手口を開発している可能性も示唆しています。

3. アルファードの減少

一方で、これまで常に上位に位置していたトヨタ アルファード(191台)は減少傾向を示し、スズキ キャリイ(43台)も減少しています。アルファードについては、窃盗対策の強化や、新型モデルへの切り替えによる需要変動などが影響している可能性が考えられます。

盗難手口の巧妙化と国際的な背景

このような車種別の盗難傾向の背後には、盗難手口の巧妙化と国際的な犯罪組織の存在が強く影響しています。

リレーアタック・CANインベーダーの常態化

スマートキーの電波を悪用する「リレーアタック」や、車両のCAN通信システムに不正に侵入してエンジンを始動させる「CANインベーダー」は、もはや一般的な盗難手口として常態化しています。これらの手口は短時間で車両を盗むことが可能であり、所有者が対策を講じていない限り、非常に有効な手段となっています。

窃盗組織の国際連携

盗難された高額車種の多くは、分解され、あるいはそのままの形で海外へ不正輸出されています。これは、国際的な窃盗組織が国内の実行犯と連携し、組織的に車両を窃取し、海路などを利用してアフリカや中東、東南アジアなどに流通させていることを示しています。高騰する中古車需要や為替レートも、彼らの活動を後押しする要因となっています。

オーナーが今すぐできる対策

2025年上半期のデータは、自動車盗難が他人事ではない現実であることを改めて突きつけています。愛車を守るために、私たちは以下の対策を多層的に講じる必要があります。

1.物理的防犯対策の徹底

・ハンドルロック、タイヤロック: 窃盗犯に時間をかけさせる最も基本的な対策です。複数のロックを併用することで、突破を困難にします。
・カーセキュリティシステム: プロの窃盗犯は、純正アラームを解除する術を持っています。専門業者による最新の多層セキュリティシステムの導入を検討しましょう。
・駐車環境の改善: 自宅駐車場には防犯カメラやセンサーライトを設置し、夜間でも明るく人目につきやすい場所を選びましょう。可能であれば、シャッター付きガレージが理想です。

2.電子的な防犯対策の強化

・リレーアタック対策ポーチ: スマートキーを電波遮断ポーチに入れることで、キーの微弱な電波を傍受されるのを防ぎます。
・CANインベーダー対策: CANインベーダーに対応したセキュリティシステムの導入が、最新の手口に対する有効な防御策となります。メーカーオプションや後付けのセキュリティシステムを確認しましょう。
・GPS追跡装置の導入: 万が一盗難されても、車両の位置を特定できるGPS追跡装置を搭載していれば、早期発見・回収の可能性が高まります。

3.日常の意識と習慣の徹底

・キーの厳重管理: スマートキーは玄関先などではなく、電波の届きにくい場所(金属製の箱に入れる、奥まった部屋に置くなど)で保管しましょう。スペアキーの管理も同様です。
・短時間の離席でも施錠: コンビニやガソリンスタンドなど、ほんの数分の離席でも必ず施錠を徹底してください。
・不審者の警戒と情報共有: 自宅周辺で不審な人物や車両を見かけた場合は、地域住民と情報を共有したり、警察に通報したりするなど、警戒を怠らないことが重要です。

4.社会全体での取り組み

・警察による取り締まり強化: 警察は、国際的な窃盗組織との連携を強化し、水際対策や情報共有を徹底することで、盗難車両の海外流出阻止に努める必要があります。
・メーカーによるセキュリティ強化: 自動車メーカーは、最新の盗難手口に対応した車両セキュリティシステムの開発・導入を継続的に行うとともに、既存車両のセキュリティアップデートにも注力すべきです。
・関連法規の整備: 盗難車両の部品販売や中古車販売における規制を強化し、不正な流通ルートを断つための法整備も検討されるべきです。
・国民への啓発活動: 自動車盗難の手口や対策について、広く国民に情報提供し、防犯意識を高めるための啓発活動を継続的に実施することが重要です。

まとめ

自動車は単なる移動手段ではなく、私たちの生活に深く根ざした大切な財産です。警察やメーカー任せにするだけでなく、私たち自身が主体的に防犯対策に取り組み、社会全体で連携を強化していくことが、将来的な自動車盗難の撲滅に繋がる唯一の道と言えるでしょう。2025年下半期に向けても、常に最新の情報を収集し、適切な防犯対策を講じることで、愛車を守り、安心してカーライフを送れる社会の実現を目指していく必要があります。