自動車整備について
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電気自動車(EV車)のバッテリーを長持ちさせるには?
電気自動車(EV車)の適切な充電方法や、バッテリーの容量不足(電欠)を防ぐポイント等をまとめた動画が、YouTube国土交通省公式アカウントに公開されていますので紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=j6k1CJBSZBs
消費電力と電費
電気自動車には、駆動用の高電圧バッテリーと、車のシステムを担う補機用の12Vバッテリーの、2つのバッテリーが搭載されています。
駆動用バッテリーは、電気自動車を駆動するための電力を供給しています。駆動以外にも、車内の冷房システムに必要なヒートポンプエアコンの電源にも駆動用バッテリーが使用されています。
暖房にはヒートポンプエアコンと電気ヒーターなど駆動用バッテリーを電源とするシステムが必要で、更に電力が消費されます。
駆動用バッテリーは、冷暖房の使い方や走行方法により消費電力に違いが出てくるのです。
冷暖房の使用による電費の変化
夏に冷房を作動させた状態では、冷暖房を使用しない春・秋に比べ、電力の消費量が多いため電費が約30%低下します。
また、冬の寒い季節に暖房を使用した状態で走ると、冷房を使用した夏と比べても、寒い時期に暖房を使用することによる電力の消費量が多いため電費は約50%低下します。
これは、電気ヒーターやヒートポンプなどを作動させるためにより多くの電力を消費するからです。
走行方法の違いによる電費の変化
郊外を一般的な時速40キロで走行した場合の電費を基準とすると、発進や停止が繰り返される市街地で走行した場合の電費は約10%低下します。また、時速100キロの速度で走行すると、電費は約50%低下します。
高速道路では、時速80キロで走行した場合の電費を基準とすると、時速100キロで走行した場合の電費は、約20%低下します。追い越しするための加速を繰り返すと、電費は約30%低下します。登坂路を走行すると、電費は約50%低下します。
郊外のような地域では一定速度の走行よりも、市街地の走行や高速走行の方が、走行時の負荷が大きく、高速走行でも、速度がより速い場合や、道路の勾配などにより電費が大きく低下します。
これは、速度の上昇などで走行抵抗が増大し、モーターへの負荷が高くなることで電力消費量が増加するためで、ガソリンエンジンの燃費とは大きく違っています。
駆動用バッテリーの充電に関する特徴
バッテリーは化学反応によって充放電しますが、バッテリーが高温や低温になると充電速度が低下します。
外気温や充電前の走行方法や使われ方によるバッテリー温度の違いが、それぞれ充電時間に影響を及ぼします。
また、バッテリーへ充電する際、電力は均等に蓄電されていくわけではなく、バッテリーの残量が低いときは、始めは早く充電されていきますが、徐々に充電速度が下がっていき、約80%を超えると更に下がってしまいます。
急速充電の場合でも80%以上では充電速度が低下します。長距離の高速走行後などは、バッテリーへの負荷が大きく、バッテリー温度が高くなることがあるため、思っているほど充電がされない場合もあります。
駆動用バッテリーには寿命があり、充電できる容量は徐々に減っていきます。
駆動用バッテリーを長持ちさせるための上手な使い方
- 急な加減速をしない
- 必要以上に頻繁な充電は避け、常時満充電にするのではなく、必要な分だけ充電する
- 高温や満充電や極端に残量が少ない状態で長期間放置しないこと
また、速充電では、大きな電流が流れ、バッテリーに負荷がかかるため、必要以上に頻繁な充電を繰り返すことでバッテリーの劣化が早まる恐れがあるので留意して下さい。
駆動用バッテリーに関する警告
電気自動車は、冷暖房の使用や高速走行などにより、電力消費量が大きく変動することは先に述べました。
更に、バッテリーの充電量が少ない、バッテリーの温度が極端に高い、又は極端に低い状態、電動モーターなどシステム機器が高温な状態になると、メーター内に警告灯やメッセージが表示されるとともに、出力が制限され、アクセルを踏んでも速度が上がらなくなるので、注意が必要です。
電欠になってしまったら
メーターに表示される航続距離やバッテリー残量がゼロになってしまうと、間もなく走行できなくなります。
電欠になってしまった場合は、速やかに安全な場所に停車し、道路サービスなどに連絡し救援要請をして下さい。
また、忘れてはならないことですが、救援を待つ間は照明などの電装品は使用せず、パワースイッチをOFFにして下さい。
電装品の使用やパワースイッチをONのままにしておくと補機用12Vバッテリーが上がり、車を動かすことができなくなります。
電欠にならないようにするには
思わぬ駆動用バッテリーの容量不足(電欠)にならないようにするためには、航続距離等を考慮して、事前に充電スタンドの位置を確認し、余裕を持って充電することが重要です。
まとめ
この動画では、電気自動車の走行方法や使い方が駆動用バッテリーに様々な影響を及ぼすことが紹介されています。